2016年 10月 18日
三重塔 心柱は独立している! |
はれ
三重塔 建設途中、現場見学会へ。
文京区 浄土宗清林寺
・昭和52年から木材の確保が始まり、一時は暗礁に乗り上げたことも。
設計 佐久間順三先生と、西澤工務店 藤野利雄棟梁のもと、
再度、法起寺の80%のプロポーションで、建設の運びとなりました。
・飛鳥様式
棟の中心にある「心柱」 木曽桧 おそらく樹齢300年以上らしい
木曽の部分は、御影石に置くだけ
今は、かませて浮かせています。
屋根が完成して、棟が下がったら、この心柱を下に落とすそうです。
四方の柱は、中央部分が膨らんでいます。
ギリシャ建築の「エンタシス」と同じです。
2本は、国産ヒノキ、残り2本は「台湾桧」です。
横のはりは、柱と柱を貫いて、1本モノ、10mあります。
この様式の時代は、1本モノを使っていたそう。
江戸時代になると、柱と柱の間で、継いでいます。
3階部分へ。
「心柱」と「隅木」 接合されていません。
「心柱」と、周りの「隅木+屋根部分」は、切り離され、別物です。
*これでも、離れている間隔は、狭いとの事(≒30cm)
心柱1本モノ10mの先、仕口は、貝ノ口です。これから、あと2本つなぎます。
合計19mになるそう。
この先に柱をさらに繋いで、先は鉛筆の先のように細くします。
そこに、銅でできた丸い宝珠のような避雷針を取り付けます。
その中まで、柱が入っているとは、驚きました。
他にも、まっすぐ見えるように、梁に「むくり」をつけたり、
軒が垂れて見えないようにする幅の取り方、など・・。
計算だけではない、
経験値を伴った「バランス感覚の美」が、基準です。
・・・、でもすべて、棟梁の頭の中です。
by kamiyatani
| 2016-10-18 23:15
| 文化